ピラミッド建設
2009年 12月 20日
与えられた粗末な食事を口にしながら惨めな自身の境遇を嘆き悲しみ、ふるさとに家族を残してきた彼らは暗闇の空に瞬く星を見つめて望郷の涙を流す。
長い間信じられてきた逸話はどのようにして、そして誰が創造したのだろう。
エジプトの古代、ラーと呼ばれた王は「太陽神」だった。
朝の日の出と夕の日の入りを繰り返す太陽は、古代人にとって死と再生を意味するものだった。
永遠の生命を欲する王にとって太陽と同一化したいと思うのは必然だろう。
そのラーが死の世界と生の世界を行き来し「死と再生」を実現する乗り物が「太陽の船」と呼ばれる。
TBSがその「太陽の船」復元に取り組んでいる吉村作治の作業を取り上げていた。
復元のために苦労している様子等は省略するが、それについては一言だけ感想を。
現地にいるNPOはなぜ労働者と一緒になって働かないのか。
さて、クフ王が死後も永遠の旅を続けるために作られた「太陽の船」は2艘あるとして調べ、それを発見した吉村は復元のための壮大なプロジェクトを立ち上げた。
♪風の中のすばる 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく 草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく♪
♪地上にある星を 誰も覚えていない 人は空ばかり見てる つばめよ高い空から 教えてよ地上の星を つばめよ地上の星は 今何処に あるのだろう♪
それは「プロジェクトX」と呼ばれたのかどうかは不明だ。
復元作業に雇われたエジプト人について番組は語る。
「ラマダンの期間でもエジプト人は大規模な鉄骨組の作業を行い、時には歌を歌いながら鉄骨を組み立てる」
「ラマダンの終わったエジプト人労働者は、建材が届くと作業に熱心に取り組み、自分達で作業を工夫し自主的に成し遂げていく」
気質というのは何千年経ってもそれほど変わらないとすれば、古代エジプト人も嫌々ピラミッド建設に従事していたのではなく、時には楽しみながら労働していたのではないだろうか。
近年、ピラミッドはナイル川が氾濫して農業が出来ない人達の「失業対策」でもあったという説も出されている。
作業者にはビールが配給されたり、そのビールを飲み過ぎて「2日酔いだから欠勤させて」という届けも残っているとか。
「出エジプト記」でモーゼが手引きして脱出させたという「奴隷達」の存在は?。